鼻の役割
ホコリや細菌などの異物をブロック
鼻には、「においをかぐ」という働きの他に、温度や湿度を適度に調節し、吸い込んだ空気に含まれる異物を取り除く働きをしています。まず鼻の内部の入り口には、鼻毛が生えています。鼻毛は大きなチリやホコリが入らないようにフィルターの働きをしています。
さらに奥の部分は、鼻粘膜という薄い湿った粘膜で覆われています。粘膜の下には血管があり、外の冷たく乾いた空気を温めて湿り気を加えます。つまり鼻に入った空気は肺にそのまま入っていくのではなく、適度な温度と湿度に調節されて肺へと送られます。

鼻粘膜のはたらき
鼻粘膜には、線毛(せんもう)というごく細く短い毛がびっしりと生えています。線毛の上にある粘液は、線毛の動きによって1分間に約2cmのスピードで、鼻腔の前後へと動いています。1日に鼻腺から分泌される粘液の量は、約1ℓにもなります。
鼻の入り口を通過した空気中の小さなチリ、ホコリ、細菌などの微生物は、粘液に付着し、ベルトコンベヤーのように奥に運びのどへ送り出されます。
口には、この鼻のようなフィルター作用がないため、異物はダイレクトに身体に取り込まれてしまします。つまり、鼻づまりなどにより口呼吸になると、結果細菌やウイルスに感染するほか、においや味が分からなくなる、(呼吸が浅くなることで)よく眠れないなどの悪影響を及ぼします。

副鼻腔(ふくびくう)のしくみ
顔の骨にはいろいろな形の空洞(前頭洞、蝶形骨洞、篩骨洞、上顎洞)が鼻腔をとりかこむように存在しています。これらの空洞を総称して、副鼻腔と呼んでいます。
副鼻腔の内壁も、鼻粘膜と同じ種類の粘膜でおおわれています。副鼻腔の粘膜にも線毛が生えていて、副鼻腔に入ったゴミをその上の粘液層でとらえて外に出しています。
